インバウンド対策の集客について|集客方法とその事例

2019.07.01

インバウンド対策における集客の重要性

ここ数年、訪日外国人が増加しているというニュースを耳にすることも珍しいことではなくなりました。少子高齢化の真っ只中にあり、国内消費が縮小傾向にある日本においては、こうした訪日外国人の増加はビジネスチャンスを拡大する上で無視できない動向です。このため、さまざまな企業や団体がインバウンド対策に乗り出していますが、あらゆるケースで成果が現れているわけではありません。

そこでポイントとなるのは、インバウンド対策として効果的な集客のノウハウを身に着けているかどうかという点です。特にインバウンド需要は、現在大都市から地方都市へも波及しつつあり、東京オリンピックを控えさらなる拡大が見込まれます。このため、インバウンド対策における集客を成功させることは、多くの企業や団体にとって今後の事業や収益の拡大を目指すうえで欠かせない要素といってもいいでしょう。

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インバウンド対策における集客の方法

インバウンド対策としての効果的な集客を実現するには、ハード・ソフトの両面から、多角的なアプローチが必要です。そこで、具体的な方法としては次のようなものが考えられます。

 

ターゲット国の情報収集を行う

インバウンド対策においてより効率的な集客を実現するためには、まずターゲット国の情報収集は欠かせません。

例えば「爆買い」が代名詞ともなった中国人は流行に敏感で好奇心が強く文化体験や趣味に関心が強い傾向があります。また、韓国人であれば、主に映画、小説、アニメ、マンガといったカルチャーのほか、ゴルフやスキーといったレジャーが目的の訪日が中心です。そして欧米で最も訪日数の多いアメリカ人は、長期滞在で個人旅行が多く、日本文化の体験を求めて訪日するケースが多いという特徴ががあります。

このように、インバウンド対策において効率的な集客を実現するためには、ターゲットとなる国の人々がどのような目的で日本を訪れているのか的確に把握しておかなくてはなりません。

 

多言語への対応

インバウンド対策としてより多くの訪日外国人を集客するには、英語をはじめとして、中国語、韓国語などといった多言語への対応も欠かせない要素です。特に、飲食店をはじめとした店舗であれば、メニューや商品説明を翻訳し、訪日外国人がこれらの情報を理解することによって満足度は大きく高まります。

そのうえで、インバウンド対策における多言語対応に関しては、無用なトラブルを回避するためにも、第三者によるチェックを行うなど、翻訳に間違いがないよう十分注意しなくてはなりません。

 

現金以外の決済方法に対応する

海外では金額の大小に関わらず代金の支払いはクレジットカード決済やモバイル決済が主流で、訪日外国人にとっては慣れない日本円を使うよりもこうした決済方法が重宝されます。このため、訪日外国人がキャッシュレスで飲食や買い物ができるような環境をつくることもインバウンド対策のひとつです。また、現金以外の決済が可能なことをわかりやすく表示しておくことは、集客のアピールにも結び付きます。

 

インバウンド対策に対応したツールの活用

インバウンドが増加しているとはいっても、常に外国人に対応し、通訳のニーズがあるという店舗や施設はごくわずかです。そこで必要なときにだけ翻訳ができるツールを準備しておけば訪日外国人を積極的に集客でき、効果的なインバウンド対策となります。一例としては「タブレット型通訳サービス」がそのひとつで、インバウンド対策としてタブレットを導入するだけで、専門の通訳スタッフを雇用するよりも大幅にコストを抑え、複数の言語に対応が可能です。

また、印刷物やタブレットに文章や図などを表示して、指さしで会話できるツールや、パンフレットなどの印刷物の文章を多言語に自動翻訳するツールなど、インバウンド対策に利用できる手軽なツールはほかにも数多く存在します。

 

外国人に向けてプロモーションを行う

インバウンド対策において効果的な集客を行うためにはプロモーションも重要な要素です。ポイントはターゲットとなる訪日外国人が目にしやすいことや手に取りやすいことで、マスメディア広告やガイドブック、パンフレットなどが挙げられます。

しかしながら、訪日外国人の間ではこうした媒体よりもインターネット検索はもちろんのこと、ブログやSNSを利用して旅先の情報を調べることが定着しています。そこで、インバウンド対策として効果的なのは商品やサービスを多くの人に認知させ集客に結び付けるために、外国語対応したホームページを開設し、旅行ポータルサイトなどへの登録を行うといった方法です。そのうえで、SNSのアカウントを開設することで、口コミで情報が拡散する可能性も高くなります。また、こうしたSNSによる情報発信は低予算でも実現できるため、広告費用の確保が難しい場合でもインバウンド対策として確実に集客につながるツールといえます。

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インフルエンサーの活用

訪日外国人が情報源としているSNSでは、その投稿だけで多くの人に影響を与え、情報を拡散させる力を持っているインフルエンサーと呼ばれる存在があり、いまやインバウンド対策として企業のマーケティング戦略にも起用されつつあります。

世界的に見ても日本はマスメディアへの信用度が高い国ですが、海外ではむしろこうした媒体が発信する情報は、何かしらのメッセージがあって発信しているものと懐疑的に受け取られがちです。このため、インバウンド対策における集客では、より顧客目線で情報を発信するインフルエンサーを活用することがむしろ訪日外国人に対して説得力を与えます。特に中国や韓国、台湾といったアジア諸国ではインフルエンサーが特定の地域や商品、あるいはサービスの魅力を発信することによって、購買行動につながりやすい傾向があることを知っておくとよいでしょう。

 

YouTuberの活用

インフルエンサーは通常SNSでフォロワーの多いアカウントを持つ人々を指しますが、影響力の大きなYouTuberもインフルエンサーと定義できます。

YouTuberは、文字や画像だけのSNSとは違い、直接自分自身が出演する動画を配信するため、パーソナリティが出やすく、他のSNSのインフルエンサーよりも親近感を持たれやすいのが特徴です。このため、より臨場感やリアリティのある情報発信をすることができます。

また、そもそも動画は言語に依存する割合が低いため、インバウンド対策として海外に向けて日本の魅力を発信する際には効果的なツールです。

さらにSNSよりも長時間の動画を投稿することができるYouTubeなら、より多くの情報を発信することができ、人気のYouTuberを起用することによってインバウンド対策としての効果は増大します。

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リピーターのニーズを満たす

日本におけるインバウンドでは実に4分の3がアジア圏からの訪日客です。そこで、まずイメージするのは中国人による「爆買い」かもしれません。

ところが、すでに爆買いも一時期のように加熱した状況ではなくなっています。近年の傾向ではインバウンド全体におけるリピーターの割合が増加し続けていています。だからといって一度訪れたことのある日本を再度訪れる動機が、必ずしも同じものを買い求めるためだけではないはずです。

現状、むしろ訪日外国人の興味は、爆買いに代表される「モノ消費」から、さまざまな体験を目的とする「コト消費」へと移行しつつあります。このため、リピーターは、前回とは違った楽しみを求めたり、より楽しみたいといった動機で日本を訪れているといっていいでしょう。

そこで、こうした需要に対し、より満足度の高い経験を提供し、顧客満足度を高めることでリピーターのニーズを満たしておくことは、インバウンド対策における集客において非常に重要といえます。

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インバウンド対策としての集客の事例

ここまで、インバウンド対策における集客の方法についてみてきましたが、実際にはどのようにして訪日外国人の集客を実現しているのでしょうか。そこでここからは、具体的に集客に成功した事例もいくつかみていきましょう。

 

飲食店における集客の事例

東京・浅草のお好み焼き店では、飲食店としてお好み焼きを提供するだけではなく、訪日外国人に実際にお好み焼きを焼いてもらうことでコト消費の要素を含んだサービスを提供しています。このサービスは単に食材を提供して焼いてもらうだけでなく、インバウンド対策として店内にWi-Fiが完備されていて、訪日外国人が自らのスマホやタブレットで動画を再生しながら焼き方を知ることができるのが特徴です。

また、最近では実際にお好み焼きを焼いている様子を撮影して写真をプレゼントするサービスもはじめられ、日本文化を気軽に体験できるスポットとして人気を集めています。

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百貨店における集客の事例

関西に拠点を置く大手百貨店では、中国人向けのインバウンド対策として、中国人インフルエンサーを起用してライブ動画の配信を開始しました。中国では特にライブ配信の人気が高く、配信後は紹介された商品の売り上げが増加する傾向があり、百貨店の取り組みはこの効果を期待したものです。

実際にインフルエンサーによって売場の様子が配信されると反響は大きく、視聴者数は10万人を超え、コメントも多数寄せられるなど、訪日する中国人の集客に一役買っています。

またこの百貨店ではこのような反響の大きさを考慮して、ライブ配信の頻度を増やす方針です。

 

伝統工芸品販売における集客の事例

伝統工芸職人が集まる伝統技術の展示会では、YouTube公式チャンネルを運営しているカナダ出身の人気YouTuberがその様子を紹介しています。

この展示会は東京・荒川区の職人が集まり40年近く開催されているものですが、笠やうちわ、畳などの製作を実演しながら紹介するのが特徴です。

展示会を撮影した動画そのものは英語で収録されていますが、字幕は5か国語が用意され、さまざな国から日本の伝統技術に関心を示すコメントが多数寄せられました。

展示会という形式は現時点でインバウンド対策においてはポピュラーなコンテンツとはいえませんが、日本の伝統技術は大きな観光資源でもあるため、ひとつの集客の方法として参考となる事例といっていいでしょう。

 

旅館における集客の事例

大分県の温泉旅館では、宿泊客の減少により経営難に陥っていましたが、現在では旅行ポータルサイトのランキングでも上位を獲得し、訪日外国人客で連日満室になっています。

このような集客を実現したのはインバウンド対策としてSNSの活用しはじめたことによるもので、この旅館の投稿の特徴は、日本語と英語を使い分けたり織り交ぜながら情報を発信する対象を想定している点です。

また、発信する情報は旅館内で行われる訪日外個人向けのイベントの告知をはじめ、宿泊した訪日外国人の集合写真、さらには旅館の情報のみならず、周辺の観光スポットも紹介しています。このため、現在では単なる宿泊施設としてだけではなく、大分県内でも屈指の影響力を持つ情報発信者として知られるところとなっています。

さらに、結果としてこの旅館にはSNSを通じた問い合わせも増加していますが、これらにも迅速に対応できるよう、多言語での想定問答集を用意するなど、WEB上でのコミュニケーションを重要視し、丁寧に対応していることもインバウンド対策のひとつとなり、確実な集客に結びついているといえそうです。

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ホテルにおける集客の事例

香港資本の外資系ホテルは、2007年に東京・有楽町に進出しましたが、客室の内装は天然素材を使用した格調高い和の雰囲気を感じさせるもので、訪日外国人にも人気があります。

このホテルではインバウンド対策としてプロモーション動画を制作しYouTubeに投稿していて、茶道のお手前の様子や神前結婚式、レストラン、所属する料理人などが紹介されますが、終始音楽が流れるのみでナレーションや字幕による説明はありません。こうした内容は高級ホテルのプロモーション動画らしいクオリティで、ホスピタリティの高さを強調する仕上がりであるとともに、使用言語を問わない非言語的なコミュニケーションによる集客手段のひとつとして成立しています。

 

インバウンド対策において集客を成功させるためには

ここまでのように、インバウンド対策としての集客の方法にはさまざまなものがあります。また、すでに効果的な方法で集客を実現したことにより、インバウンド需要の獲得に成功した事例も数多くみられます。その中にはコストや時間を要するものもありますが、インバウンドの傾向として、比較的安価で手軽に取り組めるものが少なくありません。

だからといって行き当たりばったりで手当たり次第に集客に関する施策を講じるのは非効率的であることから注意が必要ですが、インバウンド対策における集客で大切なことは、ひとつの方法に対し、きちんとした計画を立てて実行し、その結果を検証して改善を続けることといっていいでしょう。そのうえで、インバウンドの動向も注視しながら、その時々のトレンドも上手に取り入れていくことが、増加が続く訪日外国人を確実に集客するうえで重要になってきます。

また、インバウンド対策において効果的な集客を実現させるためには、いかにして顧客を喜ばせ、どれだけ顧客目線になれるかという点が重要であり、これはインバウンド対策に限ったことではありません。そこで短期間でサービスや商品を大きく転換をすることは難しいとしても、まずはそれらにどんな魅力があるのかを再認識し、訪日外国人にとってどんなメリットになるのかを的確に情報発信していくことが、インバウンド対策における集客を実現させるうえで第一歩になるといっていいでしょう。

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