簡易通関とは|簡易通関のメリットや中国における簡易通関について

2019.01.24

簡易通関とは

簡易通関は、日本において物品を輸入する際、少額輸入貨物に関して簡易な手続を行うことにより、一般輸入貨物よりも迅速な通関を可能にするものです。

ただし、簡易通関として取り扱われるのは申告者が希望した場合に限られ、そうでない場合には一般の通関と同様の手続きを行うことになります。

出典:https://pixabay.com

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簡易通関の申告の仕方

輸入貨物について簡易通関を希望する場合には、輸入申告書に「少額貨物簡易通関扱」と表示して申告します。

これにより、輸入申告書における上段の「申告種別符号」、「船(取)卸港」、「積載船(機)名」、「入港年月日」、「船荷証券番号」、「船(取)卸港符号」、「船(機)籍符号」、「貿易形態別符号」、「原産国(地)符号」や「輸入者符号」のほか、申告書中段の「減免税条項適用区分符号」の各欄への記載を省略することが可能です。

 

簡易通関の対象となる輸入貨物と対象外の輸入貨物

簡易通関の対象となる輸入貨物は、”輸入申告書の品名欄の各欄の課税価格が20万円以下のもの”と定められています。

また、関税定率法第17条第1項第2号により、輸入貨物の容器の再輸出免税あるいは、第3号の輸出貨物の容器として使用される貨物の再輸出免税の規定に該当する貨物も簡易通関の対象です。

 

一方、輸入貿易管理令第4条第1項の規定によって、輸入の承認を受けなければならないとされている場合や、関税定率法第14条における無条件免税および、第16条の外交官用貨物等の免税の規定を除くその他の減免税の規定の適用のほか、関税暫定措置法の規定により減免税の適用を受ける場合には、簡易通関の対象とはなりません。

 

このほか、少額貨物簡易通関扱いにする貨物に適用される税番や税率をはじめ、他法令における許可や承認などが必要かどうかは、原則的にそれ以降の輸入申告の先例とはならないため注意が必要です。

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簡易通関と簡易税率について

簡易通関の対象となる輸入貨物は課税価格が20万円以下のものですが、この場合、一般輸入貨物と国際郵便物に関しては、一般の関税率とは別に決められた簡易税率を適用することができます。

これは簡易税率が適用されるのも、課税価格の合計が20万円以下と定められているからです。

 

この簡易税率では、アルコール飲料とそれ以外の6区分に大別された品目分類によって税率を確定することができ、複雑な関税計算が不要となります。通常、輸入貨物に対して適用する関税率をおよそ9,000種類もの品目分類の中から、その輸入貨物に該当する税率を適用しなければならないことを考えると、簡易税率が適用される場合にはこの負担が大幅に軽減されるといえます。

 

また、簡易税率ではさまざまな必要証明書類が免除されるのもひとつのメリットです。たとえば、このうちのひとつが「特定原産地証明書」で、これは一般税率の場合提出することによって本来支払うべき関税が免除されるものですが、簡易税率が適用された場合、提出自体が免除されます。

 

ただし、この簡易税率は、別送品や携帯品、関税がかからないもしくは免税となるもの、日本の産業への影響を考慮した際に適用することが適当でないと判断される物品には適用されないため、その品目については十分に確認しておく必要があります。

 

このほか、輸入者自身が輸入貨物の全部についてあえて一般の関税率の適用を希望した場合には、20万円以上の貨物同様、一般税率が適用を適用することも可能です。こうすることで、簡易税率適用の際にありがちな、複数の物品を輸入する場合について、最も高い関税率がすべての品目に適用されてしまうのを避けることができます。

 

 

中国における簡易通関、「小口通関制度」

近年、中国におけるEC市場は急拡大を続けており、日本でも越境ECによって中国で物品を販売するケースも少なくありません。

そこで、中国における通関制度をみてみると、日本における簡易通関と類似した、「小口通関制度」と呼ばれるものがみられます。この制度は、一定の条件を満たすことにより、小口貨物の関税が免除されるものです。

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小口通関制度の免税規定

そこで、具体的に免税となる輸入貨物をみてみると、中国の現行法では以下のように規定されています。

  • 関税税額が50元以下の貨物
  • 商業価値のない広告品およびサンプル品
  • 外国政府(中央政府)や国際組織から無償で寄贈された物資
  • 通関する前に損失を受けている貨物(一部損壊については税関が認定した損壊の程度に基づいて関税が軽減)

ただし、個人使用目的での輸入を含めて、免税措置のない品目については関税が課せられます。この品目は、テレビやエアコン、自動車などあわせて20品目です。

 

また、もともと個人所有の物品で出・入国時に税関に申告して中国国外へ持ち出し、再び中国国内に持ち帰る場合は、小口通関制度の対象外となります。

 

 

簡易通関の活用

ここまでのように、少額の貨物については、簡易通関を利用することによって、通関におけるさまざまな手続きの負担軽減や、免税措置を受けられる場合があります。

また、中国においても簡易通関に類似する小口通関制度が設けられており、これらの制度を活用することによって、近年活発になっている越境ECなどにおいても、手続きの負担軽減や、より有利な条件で物品のやりとりが可能になるといえるでしょう。