海外発送における注意点とその対処方法

2020.02.10

注意点が多くリスクも高い海外発送

海外発送は国内発送とは異なり、発送先にきちんと荷物が届くのかはもちろん、紛失や破損のリスクなど注意点も多く、ややハードルが高いといえます。

その要因となっているのは送料や配送日数だけではなく、発送方法なども国や地域ごとに異なることが挙げられます。このため荷物を安全に相手先に届けるには細かな情報をきちんと把握しておかなけばなりません。

出典:https://pixabay.com/ja/

 

海外発送する物品に関する注意点

海外発送における注意点としては、まず送ることができない物品、いわゆる禁制品について把握しておく必要があります。仮に禁制品を把握せずに海外発送しようとした場合、返送あるいは税関での没収という事態に陥りかねません。

そこで禁制品として代表的な物品には麻薬や児童ポルノなどが挙げられますが、こうした物品は常識的に禁制品であることが比較的理解しやすいものです。

ただし、禁制品はこれらばかりでなく、大まかには次のように分類され、さらにそれぞれ注意点があります。

出典:https://pixabay.com/ja/

 

万国共通の禁制品の注意点

万国共通の禁制品としては、郵送禁止品、郵便禁制品、ワシントン条約該当品、IATA航空危険物といったものがあり、次のような注意点があります。

 

郵送禁止品・郵便禁制品の注意点

発火物、爆発物、引火性のある品物などがこれにあたります。特に花火や香水、アルコール濃度の高い酒などは意識せずに海外発送されることが多いことが注意点のひとつです。

 

ワシントン条約該当品の注意点

ワシントン条約は「絶滅の恐れのある野生動物の種の国際取引に関する条約」で、規制対象となっている動植物やその加工品は海外発送できません。主な品目としては漢方薬、毛皮製品、象牙製品などがこれに当たりますので、注意しましょう。

 

IATA航空危険物の注意点

海外発送で航空輸送を利用する場合、航空機と空港施設を使用することから船舶による輸送よりも厳しい基準が設けられています。このため、ガスボンベ(スプレー缶)やリチウム電池などは海外発送に制限あることから、これも注意点となります。

 

配送サービスの違いによる禁制品の注意点

国際郵便で海外発送する場合には、利用するサービスによって送ることができない物品があり、これらにもそれぞれ注意点があります。

 

EMS利用の注意点

海外発送でも認知度が高くスタンダードな手段であるEMS(国際スピード郵便)では硬貨や銀行券、紙幣など、貴重品に規定されている物品は送ることができません。このため、貴重品は通常郵便物あるいは小包郵便物として書留または保険付きで海外発送する必要があります。

 

船便・航空便・SAL便利用の注意点

船便、航空便、航空便よりも料金の安価なSAL便では万国郵便条約により、リチウム電池などに一定の条件が設けられ、海外発送が制限されています。

 

海外発送する相手国ごとの禁制品についての注意点

禁制品は国や地域によっても規定されている品目が異なります。これらは「国際郵便条件表」によって確認することができますが、内容は随時更新されているので注意が必要です。

 

海外発送できない物品を確認する方法

禁制品の確認、あるいは制限のある物品の許可手続きはすべて発送者が行わなければなりませんが、判断が付きにくい場合、「国際郵便サービス相談センター」を利用するとよいでしょう。こちらを利用することで物品ごとの確認が可能です。ただし、判断がつかない物品や明確でない物品もあるため、注意点として踏まえておかなければなりません。

 

海外発送における配送日数に関する注意点

海外発送する際の配送日数は、利用するサービスによって異なります。このため各サービスの配送日数については配送事業者のサイトなどで確認する必要があり、注意点もあります。

出典:https://pixabay.com/ja/

 

配送日数は表記より時間がかかるケースが多い

配送日数は各サイトで確認可能ではあるものの、実際には表記よりも長くなる傾向があるため、これらは目安と考えなければなりません。特にイタリアやロシアなど、比較的配送に遅延が発生しやすい国への海外発送は要注意です。

またSAL便のようなサービスは低料金が魅力である一方で、取扱いの優先順位が低いことから航空機の空きスペースを利用して配送されます。このため、実際には配送が遅延しがちで到着までに1カ月を要することも珍しくありません。

 

荷物が届かない場合の対処方法

さまざまな要因によって配送が遅延している場合には、追跡サービスを利用するのがよいでしょう。この際EMSによる海外発送であれば追跡番号が自動的に発行されます。また、他のサービスでも書留にすることなどで追跡番号が発行され追跡が可能になります。万が一追跡ができない場合には、国際郵便であれば発送した相手国のサイトで確認してみるのもひとつの方法です。

ただし、カナダやオーストラリアなど、追跡ができない国もあるため、この場合には「調査請求書」を提出する直接調査を依頼してみるとよいでしょう。

 

海外発送における配送時の注意点

国内外問わず荷物を発送する際には梱包を行わなければなりません。ただし、国外に荷物を運ぶ海外発送には国内配送にはない特有の注意点があります。

出典:https://pixabay.com/ja/

 

破損や開封、紛失の可能性

海外発送では、国内配送よりも荷物が乱暴に扱われることもあり、これにより内容物が破損する可能性があります。

またEMSなどの国際郵便で海外発送する場合には民間配送会社が行う国際宅配便とは税関手続きが異なることから、相手国の税関で内容物の確認のために荷物を開封される可能性もあります。通常税関でのチェックはX線照射によって行われ、開封される確率はそれほど高くはありませんが、税関への申告書類であるインボイスに記載した物品と形状が大きく異なると開封される可能性が高くなります。開封された荷物は検査の結果、問題がなければ再梱包され相手先へ届けられますが、この作業は丁寧に行われない場合もあり、破損の可能性もあることから注意が必要です。

さらに、確率は高くないものの、海外発送した荷物の紛失も稀に起こります。このため、特に郵便事情が悪いとされる国や地域への海外発送には十分注意しなければなりません。

 

破損や開封、紛失への対策

海外発送では荷物の破損を防ぐためには、何より厳重な梱包をすることが大切です。このため、内容物には梱包材を巻くなどし、そのうえで梱包に使う段ボール箱などと内容物の隙間には新聞紙やチラシなどを丸め、しっかりと固定するようにしましょう。

一方荷物の封に関しては、税関において検査のために開封されることを想定し、むしろはがしやすくしておくほうがよいでしょう。封が厳重すぎると開封の際に梱包していた段ボールなどが破れるなどし、開封時に内容物の破損のリスクが高まるとともに、再梱包の際に発送時の状態を復元できず、その後の配送での破損のリスクも高まるため注意が必要です。そこで、封をする際の粘着テープには端に返しをつけるなど開封しやすい工夫をしておくとよいでしょう。

また万が一開封時に破損が起こった場合には、EMSや書留であればシールなどで開封検査が行われたことが明記され、保険による補償を受けることができます。これは荷物が紛失された場合も同様ですが、こちらの場合、まずは遅延の可能性を疑い、直接調査を依頼してみるとよいでしょう。

 

海外発送の際の関税に関する注意点

海外発送においては国内配送とは異なり、発送した物品に関税が課せられるため、これも注意点となります。

関税の目的は外国製品から自国の産業や製品を守ることにあり、海外発送した場合には相手国によって物品ごとに定められた税率で関税を支払わなければなりません。

出典:https://pixabay.com/ja/

 

関税は荷物の受取人に課せられる

Eコマースなどで販売される商品は、通常商品代金と海外配送料の合計額で決済します。そして、販売される商品が国を跨ぐ越境ECなどの場合、ここへさらに関税が課せられます。また、一般的に関税は荷物の受取人が支払うことになりますが、はじめて海外から商品を購入する場合や、購入に慣れていない購入者の場合、関税の存在が認知されていないケースもあるため注意が必要です。

 

関税の仕組みはあらかじめアナウンスしておく

関税は商品が購入者の居住する国内倉庫から配送される場合には課せられないこともありますが、海外発送する荷物が販売目的の商品であれば、関税が課せられるケースをECサイトのページ内などに明記し、あらかじめアナウンスしておくことが大切です。また、各商品には関税の見込み額を表示しておくことも必要です。

さらに関税額は商品を海外発送する国や地域によって異なるものの、多くの場合一定金額までは免税となっているため、この点も事前に確認しておくとよいでしょう。

 

海外発送のノウハウはビジネスにおいて重要

ここまでのように、海外発送では、国内配送では考慮する必要のない注意点やリスクも少なくありません。しかしながら、越境ECなどにより海外に商品を販売する目的で海外発送を行うのであれば、顧客満足度を高めるうえでさまざまなノウハウを得ておくことは重要なポイントです。またそうしたノウハウは、ビジネスの市場を広げる可能性にもつながります。